少し趣向を変えて

  • ここまでかなりマニア向け、というか、自分が発見して面白かったものばかり貼り続けてきましたが。「ビートルズをほとんど知らない人に見せるとしたらまず何を?」というお題をここで自分に課してみた。
  • 知ってる人にはわかると思うけどずいぶんな難題です。まず何年の映像を選ぶかってとこで悩む。63年と69年じゃ(どころか、65年と67年でも)別人だからな。まあとりあえず67年以降のルックスは初心者にキャッチーではないと判断して除外!(いや私は好きですよ、マジカルの羽根帽子ジョンちゃんとかレリビーの髭ポールとか)あと63年以前も若干イモなので(とくにジョn)除外。64〜66年でなるべくメンバーがメタボってないもの(とくにj)を選ぶこととする。
  • さらにどの程度レアな映像&曲を選ぶか。知らない人でもけっこうシーラブズユーを口パクで歌うスーツ四人組なんてのは見かけてると思われ、その口パクっぷりに「あーはいはい昔はこういうのが人気あったのね」と無感動に流されることもあるかと思われ、そんなのをここでまた改めて見せるのはちょっと歯痒い。できれば、「なんだこいつら!?」ってちょっとざわざわしてもらえる可能性を探りたい。ちなみにそういう意味での私の三種の神器は「クリスマスレコード(とくに65年)」「Hello GoodbyeのPV(バカ踊り多めのやつ)」「Let It BeのB面がYou Know My Nameであるという事実」なんですけど、そんな千尋の谷からいきなり突き落とすような入り口を初心者に強いるのもね…
  • 当時のPV、Paperback WriterとかRainあたりを勧めるのもいいかな?と思った。40年前の絵なのにぜんぜん古びてないし、メンバーも適度に若く適度に大人っぽいし(そしてスクーター自損事故で前歯が欠けたまま出てる奴はいるし)。しかしやっぱり口パクは口パクなので、あとみんな非常にだるそうなので、見ていてハードル高い部分もあるかなと。あのだるさがむしろ現代的で良さそうでもありますが。
  • でも、まあここはライブから一曲選ぶかと。そしたら個人的なベストは前述のとおりパリ1965年なんですけど、前述のとおりポールの頭がryなのでこれもいささか千尋の谷だ。
  • てことで結局、自分自身が通った道を晒すこととなりました。
  • 今を去ることンー年前、確か渋谷の雑居ビルでプチ上映会がありましてね。YouTubeはおろかネットもない時代なので、レア映像はそういうとこでしか見られなかったわけですよ。まあ今の基準で言えば法的には大変アレな催しだったかと思うのですよ。
  • それで一足先にビートルズにはまってた友達に連れられて見にいったんだが、それまでに友の薫陶を得てメンバーのどれが誰くらいは判別できてたけれど(自分でもメカニズムが謎だが、当初はジョンとジョージの区別がつかなかった)まあ、それだけの話で。つきあいで見るか、くらいの気分で。白黒の荒い画像の、雑音とやかましい歓声に埋もれた演奏をつきあいでしばらく見続けて、それでこの曲で、突然ざわざわと来た。高校生でした。はは。


  • 1964年2月、その前年イギリスで売れに売れまくったビートルズが、初めてアメリカに飛んで、いきなりかの地を征服したコンサート。ステージが会場中央にあるため数曲ごとに違う面を向いて演奏する、のはいいんだけど、メンバー自らマイクスタンド持って移動って手作り感覚にも程があるだろ!という涙ぐましい映像。
  • しかしその手探りな、手作りな生々しさが、時を越えンー年後の高校生(当時)をしてまで「この人たち、ここで生きてるんだ」と出し抜けに思わしめたのかもしれない。そして前のめりなリズムとか、一つマイクのシャウトとか、見交わす視線とか、必要なものは全部この3分間のなかにある。