第39回 将軍、死す

  • タイトルはそうだけど中身は悩める青少年譚。を中心に、試衛館組の現在の立ち位置をいっぺんおさらいするような回だったと思う。落日編の幕開けを、まだ中空に留まっている太陽から始めるんだなー。あー。
  • 悩める青少年その一、近藤周平。彼の悲しみについてはごちゃごちゃ言葉を連ねるまでもない気がする。だからひたすら中の人を称えるにとどめる。「悲しくはありますが、つらくはありません」いい表情だったなあ。
  • 悩める青少年その二、沖田総司。鴨編から今まで、まだ青少年やってんのかよ!とも思うが、この人は段階的に背負うものが増えちゃっていくので、なかなか成長が完成できないんだろうと思う。走れば走るほどゴールが逃げるみたいな。以前も書いたが、病気がなければこの人は「天才子供おとな」で一応完成して、そのまま幸せに人生送れたんじゃないかと。今は、そこを通り過ぎてこの沖田がどこまで変容を遂げていくのか楽しみではある。とりあえず今の苛立ちは変化するだろうしな。……変化させる一因は平助なのかな……。
  • 悩める青少年その三、斎藤一。すでにあちこちで言われていることだが、このドラマでは沖田と斎藤が対照的に扱われてるんだな。まだ青少年やってんのかよ!の沖田に対して、ほんとはまだ青少年だったのかよ!な斎藤である。ていうか、最近やっと青少年と呼べる自我の目覚めが見られたような?
  • 顔色変えず人を斬って、一方で為三郎くんに独楽の回し方を教わる。それはそれで、歪んだまま完成してしまった大人の姿なんだと私は思っていた。まさかその斎藤にまで成長の物語が用意されているとは。
  • と、先週はふざけた締め方しながらも驚いていたのである。引き続きさっくり人を殺れなくなった斎藤、今週はついに職務放棄。なんか巨大ロボットもののヒーローの、すごく正統派な苦悩を見ている気もする。……それがたやすくツボに入っている自分がちょっと悔しい。はじめちゃん、萌えー(小声)
  • と、その三人に対し。「剣に生きまーす」と明るく笑う平助は、殴る沖田を必死で止めた平助は、一足早く大人になってたのだった……。
  • さらに対比すれば、「青少年」になる暇もなく子供から大人へと一足飛びに行かなきゃならなかった人が、十で売られたおゆきさんなんだね。
  • 今週の鬼の副長は一回休み。河合について局長のコメントがなかったのが残念だけど、土方へのいたわり具合を見るかぎり、すべて承知して飲み込んだってことなんだろうな。飲み込むのが最良の方法なのかは私にはわからんが……少なくとも、土方にいま必要なのは適度にツッコミ入れられるくらいのゆとりある環境だってのは、たぶん正解だ。
  • 土方は永倉を、個人的には嫌いじゃないんだなー、と改めて思った。永倉原田に挟まれて飲みながら和らいでいる表情が、なんだか妙にかわいそうだった。甘やかしちゃいかん、とも思うんだが!(何様)