第29回 長州を討て

  • んんんんー。なんか入り込めるところと、おいてけぼりな感じのところがまだらな回だったー。
  • おいてけぼりパートは主に、「陣を張る新選組」に関する部分なのだった。どうも私の中で、このドラマの新選組は「警備をする人たち」ではあっても、まだ「戦をする人たち」ではないらしい。いや警備の対象が戦に巻き込まれようとしてるんだから戦っておかしくはないんだが、なんだか「あれ、あれれ、そんな最前線にいる人だったのこの人たち?」って気分になった。なにかもうワンクッション、あれば落ち着いたような。たとえば前年のように会津本陣で軍議があって、でも今回は近藤さんもちゃんと扱われてるとか。
  • それに池田屋事件でメジャーになったと言われる新選組だが、前回から今回へのつなぎでそのへんが描かれてないのも「いつのまに?」感を煽った気がする。思えば壬生浪士組時代は、「かっちゃんもあんまり知られてねえなー」とか前述の軍議とか、いかに彼らがマイナーな存在だったか丁寧に描いていた。新選組になってから、そこに呼応する、今ではこんなに有名になったと見せつける部分があんまりないように思うのだ。「敵は新選組!」と息巻いてるのは、前からの顔馴染みばっかりだし。
  • 京の町が燃やされたっていう流れも、もうちょっと絵で見たかったなあ。ベタかもしれないが、お多福のまだ平和だった朝をちらっと見せるとか。「住んでる町が戦場になる」という衝撃、まあ憔悴したおまさちゃんだけでもかなり感じはしたんだけれども。
  • 不満はこの辺にしておいて、よかったところ。捨助大活躍(ひゅーひゅー)。いや、こういうキャラクターの動きってフィクションの醍醐味だと思います。桂にうまいこと誤解されて見せた「にやぁ〜」笑いも最高。
  • 桂のあれは策士策に溺れるっちゅうか、頭の良すぎる人は頭の悪い人の行動をうっかり深読みしてしまうという好例ですね。笑。
  • 局長のいい表情がたくさんあった。お登勢を見逃すときのかすかな笑いを筆頭として、象山先生(合掌)を見る心配げな顔とか、ラストの睨みとか。
  • 総司とお医者さんの泣き笑い漫才のようなやりとりにほろり。
  • 死にゆく志士たちが「どちらが正しいか歴史が証明する」的なことを次々言っていくけれど、とりあえず小市民の意見としては、住んでる町に火を放つ奴は時間がどれだけ経っても正しくはならないです。
  • まあ明治維新からこっちの世の中が正しいのかどうかも、よくわからんしな。
  • それはそれとして孝明天皇の一言は切なかった。