第20回 鴨を酔わすな

  • 六畳と八畳が四部屋ずつならあわせて五十六畳。五十人なら1.1畳ちょっとだね、と山南さんの最初の台詞のあとすぐ計算していた私も壬生浪士組に入れてもらえますか?
  • と、リクルート班のエピソードにはたいへん心和みつつ(山南さんの「採用です!」が山南史上ベスト3に入るくらい凛々しい台詞回しだったのは笑うところ…ですよねやっぱり)あとはひたすら重たい展開だった。誰も死なないし、殺さないけど、そのぶん日常を生きる我々に直に響く不和がいろいろと…ねえ。
  • 頭が切れて、発想力もあるけれど堪え性がない芹沢は、現代風に言うならば「芸術家肌」なのかなあとしばしば思う私であった。(絵も描くしね)そういう人には、そういう人の長所も短所も飲み込んで世間との仲立ちをしてくれるマネージャー役が不可欠だと思うんだけど、今回新見も一歩引いていることが(うすうす予想はついてたが)明らかになったし、お梅にも利用されてるっぽいし、どうやら、かなり孤独なんだな、この人は。
  • ただ、お梅はお梅できつい負の情念に囚われていてやっぱり相当孤独だ。芹沢暗殺までに、この二人が「心中」と呼べるような境地にまで歩み寄れるなら、それは一種ハッピーエンドなのかもしれない。
  • そしてお梅さん、芹沢にも言わない恨みつらみを沖田には告げたのは、若いと思ってなめてるから? それとも、知らんうちに沖田の天才に裏打ちされた脳天気を好いてきた部分もあるのかな。
  • もしかして鴨に(ダサいコスプレってだけでなく個人的に全然)似合わない浅葱色を着せたのも、ひょっとして先週の眩しいおべべもお梅の復讐のうち…って考えすぎか。
  • お洒落さんな歳が浅葱色のだんだらに異を唱えたのは大変腑に落ちた。そうだよねー、どう見ても日常には溶け込まないデザインだよね。みんなで行進すると、それなりに迫力が出てしまうのは凄いと思ったが。そういう場合には多少非日常的な格好のほうが適しているのかな。
  • 今回の戦犯は(変な恒例作るなよ)どう考えても合いそうにない面子のセッティングをした竜馬さんだと思いますが、まあ、そういうこともよくあるよね…。自分が風のようにさばけてる人って、自分を基準に社交を考えるから、人間の相性とか全然気にしないよね…。
  • 桂小五郎、やな奴だったなあー(褒めています)。でも「身の程知らずが」とまで出たのは、竜馬さんの言うとおり桂なりに追い詰められてむきになった部分もあるんでしょうね。芹沢先生がもう少し冷静だったなら、決して勝てない戦ではなかったのかも。惜しい。
  • 拍子と踊りだけのときは正直どうなるかと思ったが、歳さんの歌が入ったらなかなか、たいした座興になったのは見ものだった。素人だけども歌いなれてるって感じが良かったなあ。この時代の暮らしをライブで感じられる気がして。
  • 親分同士の行きがかりをすっかり忘れて踊りを楽しく見ていた平山に、今週も可愛かったで賞を差し上げたい。お杯持ったまんま見とれる広沢殿もなかなか。