第36回 対決見廻組!

  • しかしここ数回の、オープニングテーマ前の場面(アヴァンタイトルっていうらしいですね)はやたら大掛かりだなあ。制作費の二割くらいはつっこんでるんじゃないかと思える。あるいは、本編のロケが少ない鬱憤(?)をここで晴らしているのか……
  • そしてまた、新選組の外側で時代が動いてゆく有様を、番組の構成でも表しているのか。今日なんか本編も半分「竜馬!」だったけど。
  • 引っ越しの効果か、急に局長が貫禄ついた気がする今回だが、そうして局長らしく頑張るほど「でも時代の主役はここではない」というのがほの見えて物悲しくもある回だった。蚊帳の外ということでは前回も同じだったけど、あのときはまだ、やってたことが私的な引っ越しだったから。今回はお仕事してるのに蚊帳の外なんだ。寂しい。
  • しかしドラマを見る側としては、その寂しさこそが醍醐味だったりもする。だからもっと、お仕事している場面が見たいなあと思う。個人的には、今日の量でぎりぎり満足、くらい。
  • どうも池田屋以降、新選組が世間の中でどういう働きをしているのか、画面でわかることが少なかったように思うのだ。内部対立がメインの流れなのはいいが、画面の隅っこででも、日常の仕事をする平隊士とかをもっと見せてほしかったなと。でないと、新選組と外の世界の関わりが見えないだけでなく、鉄の規律を押し立てる土方にも説得力がなくなる。「法度で縛らねえと組はばらばらになる」と彼は言うが、ばらばらになるほどの広がりってあの組に今まで感じなかったもの。
  • 今日に到って、やっとそれが少し出てきた気がする。新しい屯所の広々とした風景のせいもあるのか、とすればこれもまた引っ越し効果か。
  • 三谷氏は「チャンバラは好きではないのであまり書かなかった」と言う。画面を派手にするためだけのチャンバラは、私もこのドラマには必要ないと思う。が、新選組はチャンバラ(にしばしば発展する警備活動)が一の仕事ではないか。働く人々のドラマで仕事を描かないでどうするのか。と、いつか言おうと思っていたんだがややタイミングを逸したかな。
  • 今日の地味に活躍したで賞、伊東甲子太郎。異国言葉をいっぱい使ったハイカラ講義のあとに、武田先生が弓がどうしたと語るのはひときわ物悲しかったなあ。ところで史実の近藤先生は伊東先生のインテリっぷりにぞっこんだったらしいけど、この大河での二人はあんまり個人的なつながりが見えませんね。伊東は「使えるけど得体の知れない人」って位置づけで最後まで行くのか。
  • 佐々木只三郎が最後にああ言ったのは、もしかして自分の率いる直参部隊に不甲斐なさを感じていたせいかな……とふと思った。現地到着も遅れたくらいだし、佐々木一人が頑張ってて、下はけっこうたるんでるのかな、とか。他に任せられる奴がいない、と余計に頑張っちゃう中間管理職。近藤の新選組が、ちょっと羨ましかったのかもしれない。
  • ちょろちょろと不屈の姿勢で共犯者を募る沖田が愛らしかった。で、最終的につきあってやるのが左之助と平助って、また泣かすつもりだなおい……。とりあえず平助、あんたそのお着物似合わないよ。戻っておいでようー。