第12回つけたし

  • 一日経った今になっても、今回は芹沢より土方のほうがよっぽど悪人だった気がしてしょうがない。一番の違いは、「人を裏切る」という要素の有無かとも思う。捨助の(迷惑だが一途っちゃ一途な)気持ちを利用して踏みにじった土方と、基本的に気に喰わないことに真っ向から駄々をこねているだけの芹沢。あるいは、悪である自分を充分に自覚したうえで沈黙する土方と、お前それだけ言いたいこと言ってりゃあんまり腹にどす黒いものも溜まらんだろう、な芹沢。
  • いや、べつに芹沢がただの阿呆だと言っているわけではないのだが…まあただの阿呆でもそれはそれでキュートなような気もしてきたが…鐘、一生懸命がんごんがんごん叩いてるし。なんか来週は拗ねて鳥小屋にも入っちゃうみたいだし。
  • いや、阿呆のふりして何か周りを見定めている、という可能性だってなきにしもあらずといえないことはないわけだから(限りなく弱気だなおい)奴の評価はひとまず措こう。かたや、土方。捨助の背後で刀を抜く前にためらうような一瞬があって、よけいに悪人ぽくて切なかった。
  • あの色男が、その騙し討ちだとか、ばら撒かれた小判を拾うときだけ、ひどく下卑た顔に見えてね。あー悪事ってのはかっこよくもなんともないからこそ怖いもんだな、と身震いした。半分は、これからの展開に胸を弾ませた身震い、かも。
  • ところでお琴に襲いかかったのは口封じのためもあるだろうけれど、たったいま働いた悪事への興奮、高揚をぶつけたい気持ちもあったのではないかな。若いのう〜(にやにや)。
  • そして抜け殻のようなていで去っていくお琴さん。凄味があって今までで一番美人に見えました。
  • ああ、おつねちゃんに触れずに終るわけにはいくまいな。しばしさようなら、大きな犬と小さな犬の仲良し夫婦。あなたがたの並んでいる姿には、いつでもほんとに心和みました。