"THEATRE BROOK" THEATRE BROOK

  • 臨時収入があったので(にへら)CDをやや大人買いしてみた。で、去年の6月出たらしいこのアルバムを今頃入手。アンドヘビーーーーーローテーション。
  • 熱帯の花に囲まれたヴォーカリストの微笑むジャケット、と思いきや、よく見るとコンセプトが「埋葬」だ。それでアルバム名がバンド名と同じと来た日には解散でもする気かと危ぶまれるが、9ヶ月たった今でもそういう話はないようなので安堵する。
  • しかしジャケットの印象のせいか何なのか、音にもなんだか「死」の匂いがぷんぷんするよ。いや恐怖とか暗黒とか方面のイメージではないのだ。百歳大往生、光の中で西方からお迎えが…みたいな有難い感じ。
  • 『金鳳花』『幸せのイメージ』あたりなんて、言葉の乗せ方がほとんどお経のようだし。この2曲のメロディライン、美声の坊さんを30人くらい集めて唱えさせたらとんでもなくトリップする代物になるんじゃないか。というか、フジロックもZeppTokyoもなかった平安時代には法会が人を高揚させる娯楽だったらしいので、佐藤タイジ平安京に生まれていたら、あまたさぶらひける女御更衣をさぞや惑わす怪僧と成ったであろうと愚考する。
  • 年末に向かってばたばた人が死ぬドラマ(ほかに言いようはないのか)にハマっているせいか、この有難さがどうも異常に心地好い。生命はどっか別のところに繋がっていくんですよ。って文章にしたとたんにうさんくさくなるけどな。音楽っていいな。
  • 毎度のことながら、佐藤タイジの言葉選びも心地好い。音に乗せた言葉が、日本語の抑揚を決して外れない(多少関西風味で)。あのスライ・ストーン美形版みたいなルックスから、あんな緻密な日本語が出るとは一見想像できないんだが。(憶測だがこの人は意外に、10代前半は優等生だったのではないか? 歌詞に登場する「先生」というフレーズからもなんとなく思う)
  • あとレビューでもなんでもない個人的な話になってしまうが、シアターブルックの音はなんかこう、痒いところに手が届くのである。それはジミヘンだったりスティービー・ワンダーだったり、ポリスだったりXTCだったり70年代歌謡曲だったりクラシックだったり、あと今回は過去のシアターブルック自身からも、「ここが肝!ここがエキス!これをぎゅっと濃縮して摂取できたら!」と(個人的に)思う部分を漏れなく拾ってきてくれる。で、仕事中ぐるぐるぐるぐる聴き続けて目の焦点が合わなくなったりしているのだった。
  • というわけでここのログイン名を初め、IDが必要なときにこのバンドにちなんだ言葉をよく使う。いや、登録済みになっていたためしがなくて便利だから、というのもあるんですが。