第1回 黒船が来た

  • 第6回あたりまで見たときだったか、これを見返したんですよ。いーやー、びっくりした。前半あまりに殺伐としていたので。
  • って、初見のときだってこの回の中で前半と後半の雰囲気は激変していたんだが、当時はまず「ああ新選組ね、御用改めだね、香取くん思ったよりがんばってるね」という通りすがりの気持ちで見ていたんだな。一般知識の「戦いに明け暮れる新選組」が前提だったから、場面が10年前にさかのぼってぐっとのんきになっても、「あー10年前だとまだ純朴だよね、景色も幕末ってより全然まだ江戸時代だね、歳さん月代イロっぽいね」くらいの裏話見物気分で眺めていた。
  • そこから4、5回も経てしまうと、もうあの人らは、ニブちんなりに悩める若先生と、囲炉裏端で元気よくおかわりしていた食客ブラザーズなんだよ、見ているこちらにとっては。なんで!? なんで人斬ってんの? 総司なんか何アンファンテリブルな発言してんの!?
  • という衝撃に打たれた時点で、すっかり作り手に踊らされてるんでしょうな。いいんだ幸せならば。
  • だけどその重苦しく殺伐とした画面の中で、10年前と全然変わらない空気を保っている人がいて、それは源さんだった。泣ける。
  • それで、だけど、逃げる勤皇派を追って走るときの刀の携え方等、所作が一番「刀を使い慣れた人」だったのも源さんで、これまた泣けた。
  • ああ、このドラマの近藤勇はどうやら「ばか(文字色ピンク)」なんだなあと、佐久間象山のおはなしを聞いて笑顔ぱああ〜になっている彼を見て思う。いいんだけどさ、「ばか(文字色ピンク)」の主人公って個人的にはすごく楽しいんだけどさ、大河の主人公がそれっていうのはいいのかなーと、ほんの少し思う。だって、主人公が感じ入ったからって感動的な音楽とかかぶせちゃうと、なんとなくNHKが象山先生とグルになって「ばか(文字色ピンク)」を騙くらかしているように見えてくるんだよ…
  • ちなみに、同じ感想を第10回でも抱くことになる私であった。
  • 年末の紅白にPR出演したのを見たときから、山本耕史の土方にはなんとなく期待していた。不勉強な私はまったく知らない俳優さんで、失礼ながら写真の印象では線が細すぎるのでは?と危惧していたのだが、映像を見たらまず声が良かった。堂々と不貞腐れた声でさ。
  • そして本放送でも、おねえちゃんに小石を放る姿でもう、土方オッケイ。決まり。
  • 三谷幸喜にはある種の信頼と親近感を抱いているし、香取慎吾は10年越しの期待株だ。ところがその二人が組めばじゃあ完璧かというと、『合言葉は勇気』も『HR』も、何か食い足りないものが残っていた。(HRに関してはその後認識を改めることになったが)
  • それが、もしかして今度こそ、このコンビの決定版を見られることになるかもしれない。そう予感させる出だしではあった。
  • ところで乙葉ってなにげに演技うまいじゃないか。